2007 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ技術を駆使して標的細胞を殺傷または活性化する治療戦略の深化
Project/Area Number |
19360378
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
小林 猛 Chubu University, 応用生物学部, 教授 (10043324)
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Keywords | がん / バイオテクノロジー / マグネタイト微粒子 / 温熱療法 / 加温 / リポソーム / 熱死滅の促進 |
Research Abstract |
1、発熱素材の再検討 (1)血流の早い臓器に対しても使用できる素材の開発 発熱特性が高い金属合金素材を検討したが、人体に毒性がある金属を使用する必要があり、結果としてマグネタイトが最適であると判断した。マグネタイトを生分解性があるポリ乳酸で固めて針状に加工した素材、および注射により固まる素材と混練する素材を開発し、マウスを用いた実験でその有効性を確認した。 (2)マクロファージを特異的に認識する糖鎖を結合させたマグネトリポソーム(SML)の調製 トリマンノースを化学的に修飾し、リボソーム表面に共有結合させた素材(SML)を調製した。マクロファージへの取り込み能およびリンパ節への遊走能がかなり高いことがわかった。 2、転移腫瘍部位を迅速に診断できる素子の開発 細胞膜に発現しており、転移に関連した抗原としてCOX-2およびEGFRの2種類を選び、これに対する抗体を化学的に結合させたマグネトリポソーム(AML)を調製した。In vitro実験ではがん細胞への集積性が確認できたが、マウスを用いた転移モデルによる実験では、AMLを血中投与しても転移腫瘍部位に特異的なAMLの集積が確認できなかった。 3、標的細胞の加温による機能変化およびRemote effectが表れにくい腫瘍系を解析するバイオインフォマティックス手法の開発 DNAチップによる網羅的な遺伝子解析をバイオインフォマティックス手法により行い、熱による細胞死を促進する薬剤の探索を行った。in vitroの実験で効果が認められた薬剤に対して、マウスを使用したモデルでin vivoの効果を確認した。実際の温熱治療に応用できることがわかった。
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