2007 Fiscal Year Annual Research Report
革新航空エンジンに向けたウェーブロータ要素の作動域限界と最適制御
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19360380
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長島 利夫 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70114593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 進 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (30300700)
山口 和夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (90270892)
岡本 光司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (70376507)
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Keywords | 航空宇宙工学 / ウェーブロータ / 衝撃波 / ガスタービン |
Research Abstract |
本研究で対象とするマイクロウェーブロータにおいて,漏れ流れの影響が重大であることは,これまでの実験研究及びパラメタ解析によって分かっている.これに対する解決策のひとつとして,アブレイダブル素材をケーシングに施して,ロータとケーシングを直接接触させつつ運転するという方法について実験検討を行った.最初に,樹脂系の素材であるフルオロシントを用いて運転試験を実施したが,摩擦熱によって素材が破損する結果となり,ウェーブロータに適用するには不適切であることが判明した.そこで,最終的な目標としている温度比を与えた条件下での実験をも踏まえて,予想される温度範囲で使用可能な素材として,CoNiCrAIY-boron nitride/polyesterの粉末を選択し,これをケーシングにプラズマコーティングするという方法を採用し,これを用いた運転試験を行った.その結果,クリアランスの大きさを0-30μm以内に抑えることができ,漏れ流れ流量を24%から5%(流入流量比)に低減することに成功した。また,試験実施後のコーティング部分の状態も良好であり,実際のウェーブロータの運転においても有望な素材であることが確認された. 一方,マイクロウエーブロータの性能と作動範囲の予測に欠かせない流動シミュレーションでは,ポート内部まで含めた2次元数値解析モデルを構築中である。ロータとの相対運動を扱う際の課題として,流動場が非定常であるためにポート領域とセル領域の接続部の流東境界条件にとりわけ注意を要し,漏れ流れの物理的モデルや計算格子分布の妥当性などが指摘されるため,これらの問題について,数値計算プログラムの検証を目指し,理論解と実験結果との詳細比較をしつつある段階である。
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