2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360381
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 建一 Tokyo Institute of Technology, 応用セラミックス研究所, 教授 (50111670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿藤 敏行 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 准教授 (40241567)
川合 伸明 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 研究員 (60431988)
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Keywords | 宇宙インフラ / 航空宇宙工学 / セラミックス / ナノ材料 / 壊れ方機能 |
Research Abstract |
本研究では、宇宙インフラストラクチャ用高比強度高剛性構造材料とその複合システムの耐スペースデブリ・微小メテオライトシールド性能を高めるために、衝撃弾性限界応力が高く、しかも密度がアルミニウムよりわずかに高い程度の軽量さを有する良質のムライトセラミックスをWhippleバンパー材料として実用に供することを目標としている。平成19年度では、氷を模擬したポリカーボネート飛翔体を各種のバンパー材料に衝突させ、その背後に置かれたSS400軟鋼製の検証板上のダメージにより評価した。本年度は軌道上のデブリとして近年、ますます増加しているアルミニウム合金を飛翔体とし、検証板も実際の宇宙構造物を模したアルミニウム合金ブロックを用いて実験を行った。バンパー材料としては厚さ2mmのAl6021P、ムライト、アルミナリッチムライトを用いた。また、複合材料として厚さ1mmのムライトとAl6021Pをエポキシ樹脂で張り合わせたバンパーに対する試験も行った。速度域としては5.5km/s前後と7.6km/s前後の二つの速度領域で実験を行ったが、いずれの速度域においてもアルミニウムバンパーよりもセラミックスバンパーで最大衝突深さが浅くなった。特に5.5km/s域ではその差は顕著に現れており、平成19年度での結果に調和的である。衝突痕の最大深さにはセラミックスの種類による顕著な差は認められていない。しし、バンパー由来による2次デブリの衝突痕はムライトの場合には圧倒的に小さく、バンパー破片が小さいために二次ダメージ軽減効果の大きいことが明らかになった。今回、用いた複合材料によるバンパーはムライトとAl6021Pの組み合わせであるが、アルミニウムバンパーに対して大きな改善は見られなかった。これは、飛翔体との衝突面がムライトとなるような配置で実験を行ったため、背面のアルミニウムが、通常のアルミニウムバンパーと同じような分散をした結果と推察できる。
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Research Products
(9 results)