2007 Fiscal Year Annual Research Report
小型衛星用電熱加速型パルスプラズマスラスタのインパルス向上に関する研究
Project/Area Number |
19360382
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
田原 弘一 Osaka Institute of Technology, 工学部, 教授 (20207210)
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Keywords | パルスプラズマスラスタ / 高インパルスビット / 小型人工衛星 / テフロン / 電熱加速 / 推進性能 / 流れ場計算 / 設計相似則 |
Research Abstract |
本研究の目的は、電熱加速型パルスプラズマスラスタ(Pulsed Plasma Thruster:PPT)における、高インパルスビットの発生と、高総インパルスの達成である。各種のプラズマ診断法を駆使し、固体推進剤の溶融・昇華現象、続く放電現象、加速過程を調べると共に、数値計算による流れ場の構造解明を行う。それらの結果を基に、放電室の構造・材質を積極的に工夫・変更する。推進性能の測定、数値計算による性能予測を行う。 まず、チューブ状推進剤で作られた放電室を持つ電熱加速型PPTを設計・製作し、充電エネルギー5〜50ジュールの範囲で作動させた。放電室形状・材質は変更可能にした。推進剤に各種の高分子材・低融点ガラスを用いて、インパルスビット、放電電流波形を測定した。得られた結果より、比推力、推進効率、および内部効率であるエネルギー輸送効率、加速効率を見積もり、テフロンを推進剤に選定した。次に、流れ場の数値計算の結果から、電熱加速型PPT放電室内部、及び下流の噴出流の状態を考察した。溶融・昇華現象、プラズマ生成・加速過程を推定すると共に、それらの結果と推進性能との相関関係を検討した。定量的な検討を十分行い、高インパルスビット発生する方法として、テフロン推進剤供給機構を持つPPTではテフロン棒を分割し、軸方向に複数の供給方法を用いることにより、不均一損耗による放電室空間の拡大を押さえることに成功した。推進剤テフロンの供給機構を無くし、複数のテフロン製放電室を単一のイグナイタで点火させた。実質的な推進剤表面積を増加させ、個々の放電室の形状変化を押さえることができた。3放電室誘発型PPTを設計・試作し、推進性能の測定、連続作動試験に成功した。
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Research Products
(4 results)