2009 Fiscal Year Annual Research Report
小型衛星用電熱加速型パルスプラズマスラスタのインパルス向上に関する研究
Project/Area Number |
19360382
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
田原 弘一 Osaka Institute of Technology, 工学部, 教授 (20207210)
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Keywords | パルスプラズマスラスタ / 高インパルスビット / 超小型人工衛星 / テフロン / 電熱加速 / 推進性能 / 流れ場計算 / 設計相似則 |
Research Abstract |
電熱加速型PPTでは、充電回路によりキャパシタが充電され、イグナイタにおけるイグニッション放電により主放電が誘発される。主放電は、ピークで数kA、幅十μs程度のパルス状電流であり、10J程度の充電エネルギにおいても、プラズマへのエネルギ供給は瞬間ではMWのオーダーとなる。昇華(アブレーション)した固体推進剤(PTFE : poly-tetrafluoroethylene(通称、テフロン))は放電電流によりジュール加熱を受け、放電室(キャビティ)内の圧力が上昇し、下流に加速され、推進力を得る。超小型衛星搭載用電熱加速型パルスプラズマスラスタ(PPT)システムの開発研究において以下の主な結果が得られた。1.キャビティ断面積を縮小したことは有効であり、小さい充電エネルギに対して大きな単位充電エネルギ当たりのインパルスビットが得られ、一般の電熱加速型PPTよりも良い性能を示した。2.キャビティが長くキャビティ直径が小さいとき、高インパルスビット・低比推力の電熱加速型PPTの特性を示した。3.キャビティが短くキャビティ直径が小さいとき、低インパルスビット・高比推力の電磁加速型PPTの特性に近づいた。4.キャビティが長いほどマスショットは大きく、キャビティが短いほど単位断面積当たりの推進剤昇華量は大きい。5.ショット数を増すにつれ、キャビティ直径が大きくなり、約53,000ショットの時点でアノードの直径とキャビティ直径が等しくなり、噴射が確認できなくなった。アノード直径を大きくすることで更にショット数を増加させることが可能と考えられる。こうして以上の結果をもとに、電熱加速型PPTシステムの衛星搭載用エンジニアリングモデルが設計製作され十分な性能を有することを確認した。
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Research Products
(4 results)