2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウルトラマイクロガスタービン用高負荷極超小型プロパン燃焼器の研究開発
Project/Area Number |
19360383
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
湯浅 三郎 Tokyo Metropolitan University, システムデザイン研究科, 教授 (60123147)
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Keywords | ウルトラマイクロガスタービン / 高負荷燃焼 / Flat-flame / プロパン / 超小型 / 燃焼器 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度試作した内径20mm・高さ4mmサイズの実機型高負荷極超小型プロパン燃焼器に以下の改良を加えた。 ○ 燃焼室内によどみ流れ場を形成させるため、多孔質板インジェクターの下流に多孔板を設置した。 ○ 熱損失よりもセラミックス部品の破損を避け機械的性質を優先させるため、多孔板にハステロイを、その他の部品は全てステンレスに変更した。 ○ 確実な着火を図るため、燃焼室内部に極細ステンレス線のスパークプラグを挿入した。 改良した実機型燃焼器を用いて着火や燃焼特性等を調べ、以下の結果を得た。 ☆ 設計点を含む広範囲な空気流量条件下で、ほぼ決まった当量比0.8付近で確実な着火が可能であった。 ☆ 燃焼ガスとの熱交換によって燃焼室に流入する予混合気の温度が空気流量の増加とともに上昇する結果、試験燃焼器では達成できなかった設計稼働条件(空気流量0.15g/s、当量比0.55)を満たし、広範囲な空気流量にわたって安定限界の当量比がほぼ一定になることがわかった。 ☆ 燃焼器から排出されるCO濃度は高当量比領域で試験燃焼器よりも低く、燃焼効率も高く、燃焼負荷率2.8x10^3 MW/(m^3・MPa)で99.5%を達成した。NOx濃度も5~14ppmと低かった。 ☆ 燃焼器各部の温度は、温度上昇期間の後一定の温度を維持し、予混合気は燃焼室の周囲を通過する間に約100Kの予熱効果が得られることがわかった。ただし壁温が高く、供給熱量の40%を超す大きな熱損失を生じた。また逆火防止と混合促進のための細孔部の面積が狭かったため燃焼器全体の圧力損失が約8%と高かった。 これらより、プロパンの希薄な予混合燃焼が、Flat-Flame燃焼方式を用いることによって微小空間であっても極めて高負荷な状態で達成できることを、実機型燃焼器でも実証できた。加えて今後の実用化に際しては、熱損失低減のための熱再循環・断熱構造や圧力損失低減方法の確立、耐熱材料の選択が必要不可欠な課題であることが明確になった。
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