2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360384
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮崎 康行 Nihon University, 理工学部, 教授 (30256812)
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Keywords | 柔軟多体動力学 / ゴサマー構造物 / 保存型解法 / 展開構造 / 拘束系力学 / 地上試験法 |
Research Abstract |
既に研究代表者が開発した柔軟動力学の保存型解法コードNEDAを並列化し,NEDA2.0として完成させた.そして,ゴサマー・マルチボディ・システムの運動解析の例題として,(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発中の小型ソーラー電力セイル実証機IKAROSにおける膜面のスピン展開と実証機本体の運動の連成問題の数値解析を行なった.これにより,NEDA2.0が実機設計に適用するだけの実用性があることを確認した.また,JAXAが実施している実験との比較を行い,計算結果が実験結果とよく合致することも確認した.また,インフレータブル構造におけるガス流入と膜との連成の保存型解法を定式化・コード化し,NEDA2.0に組み込んだ.さらに,平成19年度に購入した高速度カメラを用いて,真空での膜面の高速スピン展開挙動を撮影し,スピン展開における膜面の折癖の影響を詳細にデータ化することに成功した.特に,スピン展開開始時における膜同士の衝突の様子やトラベリングウェーブの発生など,通常のビデオカメラでは計測が困難な挙動を確認することができた.また,インフレータブル構造におけるチューブの折り畳みが展開運動に与える影響を実験的に評価し,品質工学の手法を用いて製造誤差にロバストで再現性の高いチューブの製作方法および展開方法の決定手法を示した.以上により,ゴサマー・マルチボディ・システムの地上実験法の向上の一方法を示すことができた.また,これらにより,提案する保存型解法の検証に向けた成果を一つ出した.以上により,計画していたゴサマー・マルチボディ・システムの運動解析と保存型解法の検証を行なうことができた.
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