2008 Fiscal Year Annual Research Report
地球高層中性大気のグローバル・リモートセンシング技術に関する研究
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19360386
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
國中 均 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 教授 (60234465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 和孝 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (60342622)
細田 聡史 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 招聘研究員 (70423598)
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Keywords | リモートセンシング / 高速中性粒子 / イオンエンジン / 大気圏再突入 / 宇宙実証 |
Research Abstract |
昨年度は検出器の基礎実験に重点を置き、宇宙検証用のセンサの選定を行った。高速中性粒子の検出器の候補としてアバランシュ・フォトダイオードの基本性能を確認した結果、数keVという固体検出器としては著しく低いエネルギーの重粒子(Xe,Kr,Ar)を検出することに成功した。また入射する粒子数に対して比例した出力を得られていることから、高速中性粒子数を定量的に直接測定できるセンサとしての利用が期待できる。この結果は世界でも報告されておらず、低エネルギー中性重粒子検出器として工学的に価値のある発見であった。一般的な高速中性粒子観測器は(1)斜衝突電離または超薄膜電離機構、(2)質量分析、(3)コリメータおよび(4)粒子検出器から構成され、構造は非常に複雑になるが、アバランシェフォトダイオードこの(1)〜(3)を不要になる可能性がある。特に(1)の斜衝突電離には高度な技術が要求されるため、システム構築の面において、高速中性粒子を直接測定できるメリットは大きく、実際の宇宙検証システムの設計に大きく前進した。 今年度はこのアバランシュ・フォトダイオードを実測用の粒子検出システムとして確立するための開発実験を行う。開発ポイントは以下の通りである。 ・検出感度の向上(入射粒子のエネルギー・科学種の分別及び信号とノイズの分別)軌道上での測定ではセンサに入射する粒子が毎秒1〜数万カウントになると見積もられている。これに対応しつつ微弱な信号をノイズと分別するために、入射粒子1個毎に得られる電荷信号を高速アンプで増幅し、感度を向上させる。またこのパルスに対して、電荷およびエネルギー分光を行い、エネルギー・科学種の分別を試みる。また宇宙環境においては、放射線、温度、光などがノイズ源となる。これに対して変調などの手法で測定回路の改良を行い、耐宇宙環境性能の向上を試みる。
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Research Products
(4 results)