2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハイドレートを利用した二酸化炭素海底下隔離の成立性に関する基礎研究
Project/Area Number |
19360389
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 徹 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30282677)
|
Keywords | ガスハイドレート / CO2貯留 / 温暖化対策 / 海底堆積層 / 気液二相流 |
Research Abstract |
海底堆積層におけるCO2ハイドレートの貯留に関する既往の研究において、海底堆積層を想定した系のシミュレーションを行った研究は少ない。そこで海底堆積層において、ガス・水の透水性が良く、広範囲に渡って存在する砂層の模擬砂層(豊浦砂)をCO2の貯留対象として、まずCO2ガス・水の非流動下でのCO2ハイドレート生成シミュレーション法を構築した。このシミュレーション法を用いてCO2ハイドレートの生成挙動を表現し、平成20年度の実験と比較検討し、その結果から、CO2ハイドレートの生成速度係数とCO2のハイドレート膜の拡散速度係数を決定した。 さらに、得られた生成速度係数と拡散速度係数を用いてCO2ガス・水の流動下でのCO2ハイドレート生成気液二相多孔質内流動モデルおよび堆積層中の伝熱モデルを構築した。その上で、この気液二相多孔質流動・熱伝導モデルを用いて、堆積層内のCO2ガスの充填過程シミュレーションを実施した。モデルはハイドレートの砂層中充填実験と比較吟味することで検証し、また実験結果および計算結果の可視化によりN2の混合率を変化させた際の閉塞メカニズムの解明を行った。 この手法を用いて予測した結果、貯留ポテンシャルは帯水層貯留と比較して2倍ほど大きく、185-1880億t-CO2とされた。また、貯留コストは、約10600円/t-CO2と概算され、帯水層貯留と比較すると、約15%安くなることがわかり、経済性評価として十分に実現可能性が高いことが示唆された。ガスハイドレートを用いたCO2貯留法は、CO2を固体状物質として貯留するため、生態系へ及ぼす影響を大きく軽減でき、また長期にわたり大規模にCO2を貯留することができることが期待される。
|
-
-
[Presentation] Numerical modelling for estimating permeability of gas-water and solid-water phases in sand sediment2009
Author(s)
Sugita, T, Sato, T, Hirabayashi, S, Nagao, J, Jin, Y, Kiyono, F
Organizer
4th East Asian Workshop for Marine Environments
Place of Presentation
韓国、釜山
Year and Date
2009-11-06
-