2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360401
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
泉山 耕 National Maritime Research Institute, 流体部門, グループ長 (40358403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 春人 立行政法人海上技術安全研究所, 流体部門, 主任研究員 (30505102)
若生 大輔 立行政法人海上技術安全研究所, 流体部門, 研究員 (40505103)
瀧本 忠教 立行政法人海上技術安全研究所, 流体部門, 主任研究員 (20466238)
金田 成雄 立行政法人海上技術安全研究所, 海洋部門, 主任研究員 (20505101)
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Keywords | 海上安全 / 極地 / 船舶工学 / 船体氷荷重 |
Research Abstract |
結氷海域を航行する船舶の安全性の確保に資するために、最も重要な因子である、船体が周囲の氷から受ける力、船体氷荷重について研究した。本研究では、実船実験と模型実験の中間的なスケール(1/5〜1/10程度)で実験を行うことにより本問題の解明を試みている。船体氷荷重は、船体の各部においてその挙動並びに強度が異なる。平成19年度は、船首部を対象とし、氷の曲げ破壊が卓越する状態についての実験を行った。これに対し20年度は、船体中央部を対象とした研究を行った。この場合、氷には面内力が働き、破壊モードとしてクラッシングが卓越する。このような氷荷重の評価のために2種類の実験を行った。その一つは中規模スケール実験であり、前年度に作成した船体構造模型に対し、氷ブロックを押し付けながらスライドさせて船体中央部における氷荷重発生を模擬した。また、氷海水槽における商船模型(全船模型)を用いた水槽実験も実施し、船体中央部への荷重発生の特性の把握を行った。 水槽実験より、船体中央部に対する荷重の挙動が船首部に対するものとは大きく異なることが示された。船首部では、荷重はほぼ水平の線上に複数の荷重領域が発生して破線上の荷重分布を取りその全体が動いて行く。これに対し船体中央部に発生する荷重は単一の荷重領域が水線近傍を水平に移動する。この荷重の発生頻度は非常に低い。中規模スケール実験ではこのような荷重の発生を再現した。この結果、荷重強度が船首部におけるものに比べてかなり高くなる可能性が示された。現在、多くの船体構造基準等では船首部を最大として、船体中央部、船尾部へとそれが低下するように設計荷重を与えることが一般的である。今回の研究結果は、このような荷重の取扱いの妥当性の検証を示唆するものである。
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Research Products
(1 results)