2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子水溶液ジェットを用いた重粒子線ブラッグピーク領域での放射線照射効果の解明
Project/Area Number |
19360427
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 秋男 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (90243055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 秀次 京都大学, 工学研究科, 助教 (50304150)
大澤 大輔 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助教 (90324681)
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Keywords | 液体分子線 / イオン照射 / 生体細胞 / 阻止能 / 二次電子 |
Research Abstract |
平成19年度に実施した研究内容は、(A)可動式μイオンビーム(パルスビーム)の導入、(B)二次イオンの質量分布・二次電子のエネルギ分布の測定、(C)MeV領域での阻止能測定、等である。これらの実験は年10回(約10週間)の加速器ビームタイムを用いて行った。 (A)液体ジェット標的は数十ミクロンの直径のため、液柱だけとの衝突だけにするためには入射イオンビームの径も絞ることが不可欠である(バックグラウンド信号を無くすため)。最も簡便な方法として既に確立されている「ガラスキャピラリ方式」を採用することにした。また、正確に液柱に照射するためのXYZθ駆動ステージ、および低エネルギ二次電子測定のための磁気遮蔽チャンバーを新たに製作した(評価は次年度予定)。一方、現状の装置による実験を同時に実施した。 (B)液柱からの二次イオン測定を既存の飛行時間スペクトロメータを用いて行った。測定技術そのものは既に当研究室で確立されており多くの新しい実験データを取得した。電子測定も既存の分光器で行った。特に、アミノ酸気体標的に対して繰り返し測定を行った。 (C)粒子線がん治療の重要な基礎データである水のエネルギ阻止能(MeVエネルギー領域)測定を行った。液体ジェットの噴出孔からの距離に応じて液体の温度が連続的に変化するため様々な密度に対するデータを得ることができる方法であるため、その測定技術の確立を行った。 関連する気体標的実験結果とも合わせ、以上の研究成果を国内外の諸学会と国際会議等で発表した。
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Research Products
(4 results)