2008 Fiscal Year Annual Research Report
加速器BNCT中性子源用低エネルギー中性子スペクトロメータの開発研究
Project/Area Number |
19360429
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 勲 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (30273600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮丸 広幸 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80243187)
加藤 逸郎 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (60314390)
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Keywords | BNCT / 中性子 / 加速器 / スペクトロメータ |
Research Abstract |
本研究では、BNCT中性子源用低エネルギー中性子スペクトロメータの開発を目指している。BNCT用の中性子源は、現在、原子炉が利用されている。しかし、使える原子炉は日本に2箇所しかなく、しかもそれらは研究用の原子炉であり、治療専用の原子炉ではない。このため、患者及び医師がその場所まで赴く必要があり、かなりの負担を強いることになっている。このため現在、病院立地が可能な加速器中性子源を建設することが計画されている。この場合、原子炉のようにエネルギーの揃った中性子が出てこないことから、中性子スペクトルを予め正確に知ることが重要になる。しかし、BNCTで必要になる中性子のエネルギーはとても低く、そのエネルギー分布を正確に測定する適当な手法が現在見当たらない。このため、本研究では、位置検出器を用いた新しいアイデアに基づく、低エネルギー中性子スペクトロメータの開発を目的とした。今年度はまず、昨年度の結果を受けて、具体的を検出器の設計作業に取りかかった。そして、プロトタイプ検出器の製作を進めた。製作後の測定試験の結果、陽極の材質に問題があることが分かったため、陽極をタングステンからニクロム線に変更した。その後、更に炭素繊維に変更し、ようやく設計の性能が出ることが分かった。しかし、ヘリウムガスのリークが多く、そのためにケース構造の変更を3度実施した。現在は、プロトタイプから更に実用規模の検出器の製作を進めている。来年度は、実際の中性子場の測定を実施する予定である。
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Research Products
(3 results)