2009 Fiscal Year Annual Research Report
加速器BNCT中性子源用低エネルギー中性子スペクトロメータの開発研究
Project/Area Number |
19360429
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 勲 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (30273600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮丸 広幸 大阪府立大学, 産学官連携機構, 准教授 (80243187)
加藤 逸郎 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (60314390)
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Keywords | BNCT / 熱外中性子 / 加速器 / スペクトロメータ |
Research Abstract |
BNCT用中性子源は現在、原子炉が利用されているが、使える原子炉は日本に2箇所しかない。このため、病院立地が可能な加速器中性子源の開発研究が進められている。この場合、原子炉のようにエネルギーの揃った中性子が出てこないため、中性子スペクトルを予め正確に知ることが重要になる。しかし、BNCTで必要になる中性子のエネルギーはとても低く、そのエネルギー分布を正確に測定することは難しい。このため、本研究では、位置敏感型検出器を用いた低エネルギー中性子スペクトロメータの開発を実施した。 これまでの研究により、プロトタイプの検出器を完成させていたため、今年度は実際の計測をスタートさせた。が、以下の様々な問題点が明らかになったため、それぞれについて解決策を検討した。 ・両端の電圧の不均一性検出器両端の印加電圧に不均一性があったため、1台の高圧モジュールを使用したが、電圧値の再現性が低かったことから、テスターで電圧を計測し電圧値を再現させた。 ・ノイズしかし両端印加ではノイズが大きかった。プリアンプの信号をSumすることにより、極性の異なる周期的ノイズを減らした。 ・2次元コントアのピーク位置不一致Sum信号は、いつも同じ電圧値を示すべきであるが、検出場所により異なった。 検出深さと2次元コントアの位置を対応させ、場所依存の相対効率を決定した 以上のような問題を克服した上で、最終的にAmBe中性子源を用いた黒鉛サーマルカラムを用いた計測を行い、熱中性子のマックスウエル分布のピークを再現することができた。このように、本研究の目的であった、低エネルギー中性子スペクトロメータの開発は達成されたが、実用化のためには更に以下の研究が必要である。 ○絶対効率の決定、○応答関数の実験的検証、○熱外中性子スペクトル測定 今後は、これらの問題に取り組み、実用化が進みつつある加速器BNCT中性子源場への適用を目指していく。
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Research Products
(5 results)