2008 Fiscal Year Annual Research Report
核変換研究のための高速中性子捕獲微分断面積の高精度測定技術の開発
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19360431
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
原田 秀郎 Japan Atomic Energy Agency, 原子力基礎工学研究部門, 研究主幹 (80421460)
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Keywords | 中性子捕獲断面積 / 核データ測定 / 高速中性子 / シンチレーション検出器 / LaBr3 / 核変換 / 高エネルギーガンマ線 / 放射線測定技術 |
Research Abstract |
放射性廃棄物に含まれる核種の核変換手法の有用性を検証するためには、核変換対象核種の信頼性の高い核データが、熱領域から高速中性子エネルギーの範囲で必要である。本研究は、エネルギー分解能及び時間分解能の両面に優れた新世代のガンマ線検出器を開発・適用し、高速中性子に対する中性子捕獲断面積の測定精度を飛躍的に向上できる測定技術の開発に資することを目的とする。 平成20年度は、平成19年度に開発した直径7.6cm及び長さ7.6cmのLaBr_3(5%Ce)検出器を用い、データ収集系のソフトウェア開発を進めるとともに、高エネルギーガンマ線に対し、エネルギー分解能等の諸特性データ取得のための実験を実施した。 実験は、原子力機構ペレトロン加速器施設にて、^<19>F(p,αγ)^<16>O反応で発生する6〜7MeVのガンマ線を、LaBr_3検出器及びNaI(T1)検出器により計測した。この結果、LaBr_3検出器では、7.117MeVガンマ線と6.917MeVガンマ線を明確に分離できるなど、NaI(T1)検出器に比べ格段に高い分解能を有することを示した。また、原子力機構研究炉JRR-3の中性子導管により得られる熱中性子ビームを用い、^<14>N(n,γ)^<15>N反応及び^<48>Ti(n,γ)^<49>Ti反応を起こし、中性子捕獲反応で発生するガンマ線をLaBr_3検出器により測定した。 得られたスペクトルより、LaBr_3検出器のパルス波高とエネルギーの比例関係及びエネルギー分解能を0.122〜10.829MeVの範囲で定量的に導出した。パルス波高とエネルギーの比例関係については、1次関数での校正では差が生じるが、2次関数での校正を用いると1KeV以下の精度が得られることを示した。また、エネルギー分解能については、ガンマ線エネルギーの平方根との比例関係からのずれを導出するなど、諸特性データを取得した。
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Research Products
(2 results)