2009 Fiscal Year Annual Research Report
固体燃焼・ガス化プロセスにおける灰の挙動に関する学理構築
Project/Area Number |
19360437
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
成瀬 一郎 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (80218065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
義家 亮 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60293544)
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Keywords | 石炭 / 灰 / 燃焼 / ガス化 / バイオマス / 廃棄物 / 灰付着 / 微量成分 |
Research Abstract |
本研究では、石炭、廃棄物、バイオマス等による燃焼・ガス化プロセスにおける燃料中の灰成分に関する物理・化学的挙動ならびに炉外への排出特性を、定量的かつ速度論的に解明し、その学理を構築する。主要な研究内容は、 1)燃料中に含有している灰成分の存在形態の定量化によるキャラクタリゼーション 2)燃焼・ガス化実験による反応過程中における灰粒子の凝集・分裂挙動の速度論解明 3)灰付着実験による炉内における灰付着挙動の速度論解明 4)炉外への灰粒子の排出特性定量化 である。得られた結果として、固体燃料中の灰成分には、炭素質に包含されているインクルードミネラル粒子と、炭素質とは独立して存在するエクスクルードミネラル粒子の両者が混在しており、それらの粒径分布、元素組成分布等を灰粒子毎に計測し、それらと実験で得られた灰付着量との相関を化学熱力学平衡論を用いて理論的に解明にした。つぎに、燃焼条件とガス化条件における生成灰粒子の差異を電気加熱式ドロップチューブ炉で実験した結果、ガス化条件では、ガス化過程で生成してしまう微粒のすす粒子が影響して、燃焼条件よりも多量の微粒子が排出されることを実験的に明らかにした。また、ガス化条件の場合、生成したすす粒子中に、反応過程中で揮発化し易い微量金属成分が高濃度で濃縮している傾向があることも判明した。最後に、炉内における灰付着を軽減する方法として、伝熱管表面にNi系の材料を溶射することにより、同一燃料および同一反応雰囲気であっても付着する灰の量が軽減できる技術も開発した。
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