2008 Fiscal Year Annual Research Report
連合学習におけるインスリンシグナル伝達経路の機能の解明
Project/Area Number |
19370001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯野 雄一 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (40192471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國友 博文 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (20302812)
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Keywords | アルツハイマー病 / カルシンテニン / アルカデイン / 線虫 / 学習 / インスリン / PI3キナーゼ経路 |
Research Abstract |
線虫C.エレガンスの連合学習に関わる遺伝子としてcasy-1を発見した。casy-1は哺乳類のカルシンテニン/アルカデインの線虫ホモログをコードする。カルシンテニンはアルツハイマーこの蛋白質はI型膜貫通蛋白質で、細胞外ドメインに2つのカドヘリンドメインとLG/LNSドメインを持つ。casy-1変異体は、塩走性学習、嗅覚順応、温度学習、嗅覚と銅イオンの相互作用に異常を示し、高次機能の制御に中心的な役割があることが示唆された。塩走性学習について細胞特異的レスキュー実験を行ったところ、塩を受容するASER神経でcasy-1が発現することがその塩走性学習における機能に必要十分であることがわかった。インスリン/PI3キナーゼシグナル経路もASER神経で働くことがわかっている。そこで、これらの関係を明らかにするためにインスリンins-1との二重変異体を作成してその表現型を調べたところ、casy-1 ; ins-1二重変異体はそれぞれの単独変異体より強い学習欠損を示した。一方、PI3キナーゼ経路の活性が昂進しているdaf-18変異体と二重変異を作成したところ、casy-1がdaf-18の化学走性欠損を抑圧することがわかった。これらのことより、CASY-1はインスリン/PI3キナーゼ経路と並列に働くことが示唆された。カルシンテニンは細胞外ドメインで切断されることがわかっているが、ウェスタン染色によりCASY-1も細胞外ドメインで切断されること確認された。欠失遺伝子を用いたレスキュー実験により、切断され分泌された細胞外ドメイン、特にLG/LNSドメイン付近が学習に必要とわかった。この部分を用いて酵母ツーハイブリッドスクリーニングを行い、標的蛋白質の候補を多数同定した。
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Research Products
(6 results)