2008 Fiscal Year Annual Research Report
組織形成に関わる細胞壁タンパク質のアポプラスト内での機能調節と移行制御
Project/Area Number |
19370014
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西谷 和彦 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (60164555)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 隆亮 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 講師 (90302083)
|
Keywords | 植物 / 細胞壁 / タンパク質 / アポプラスト / 輸送 |
Research Abstract |
陸上植物の細胞壁は成長分化の制御を初め、生体防御、細胞間情報伝達, 物質輸送, 貯蔵など、多岐に亘る役割を担う植物独自の細胞装置である。これらの細胞壁機能は数千を超える細胞壁関運タンパク質群の協調した機能を介して発揮されると考えられる。しかし、その分子過程は未だ多くが不明である。本研究では細胞壁中に分泌されるタンパク質について, その分泌後の移行制御の分子機構、およびその制御に関わる分子を同定し, 細胞壁中でのタンパク質Traffickingの存在を実証することを目指して研究を進めた。細胞壁中でのタンパク質移行/局在の過程制御に関与する制御因子を特定するために、シロイヌナズナ芽生えの根のアポプラスト中に分泌される細胞壁タンパク質の動態を二次元電気泳動とMALDI-TOF/MSによるプロテオーム解析により探索した。その結果、細胞壁中に分泌された後、修飾状態の異なるアイソザイムとして存在するタンパク質としてpeptidase CIA familyに属するCysteine protease遺伝子群を同定した。peptidase CIA familyはシロイヌナズナでは32のメンバーより構成される。このうち9遺伝子が根の細胞壁中に分泌されていた。次に, これらのタンパク質の動態を見るために, peptldase CIA familyタンパク質のスポットパターンの変化を調べた。その結果、脱分化誘導前後で、スポットの数やスポット強度が変化するものを見いだした。更に, それらの細胞壁タンパク質の中には、peptidase CIA family以外にも、タンパク質を基質とする酵素と推定されるタンパク質機能を持つものやタンパク質間相亙作用に関わると推定されるドメインを持つタンパク質が多数含れることを明らかにした。
|
Research Products
(13 results)