2008 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物における重力応答の分子機構:イネLAZY遺伝子の機能を中心にした研究
Project/Area Number |
19370022
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
飯野 盛利 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 准教授 (50176054)
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Keywords | イネ / 運動 / シグナル伝達 / 重力応答 / 重力屈性 / 回旋運動 |
Research Abstract |
我々はイネ重力屈性突然変異体lazy1の原因遺伝子を明らかにした。本研究はこの成果を発展させるために計画された。本年度得られた主な成果は次の通りである。(1)シロイヌナズナに含まれるLAZY1様遺伝子の機能を調べるため、この遺伝子の発現をRNA干渉で抑えた形質転換体を作出した。この形質転換体を用いて、このLAZY1様遺伝子はシロイヌナズナにおいて少なくとも花茎の重力屈性に関与していることを明らかにした。現在、胚軸重力屈性への関与を定量的に解析する研究を進めている。(2)重力によるオーキシンの不均等分配の誘導とLAZY1の関係を内生オーキシン(IAA)を測定することによって解析する研究を計画したが、本年度はイネ芽ばえの成育法を検討するにとどまった。これまで赤色光下で育てた芽ばえを生理学的研究の材料としたが、実験に使える幼葉鞘の長さが短い(すなわち、生重量が少ない)という欠点があった。この問題を解消するため、芽ばえを弱緑色光下で育てる方法を検討し、赤色光条件と同様の重力屈性を示し、赤色光条件の場合よりも長い幼葉鞘が使える方法を確立した。(3)これまでの研究によって、lazy1突然変異体に残る重力屈性には、オーキシンの不均等分配を伴わないLAZY1非依存のシグナル伝達系が関与していると推定された。その存在を遺伝学的に証明し、またそれに関与する遺伝子を明らかにする目的で、lazy1種子にガンマー線を照射し、重力屈性がより低下した(あるいは完全に欠損した)突然変異体を分離する研究に着手した。
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Research Products
(2 results)