2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19370026
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中村 正久 Waseda University, 教育・総合科学学術院, 教授 (40130025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 洋一 北海道大学, 理学研究科, 教授 (70165835)
松井 久実 麻布大学, 獣医学部, 専任講師 (70367019)
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Keywords | 性決定 / 性転換 / 両生類 / ステロイド合成系 / ステロイドホルモン / 核DNA / ミトコンドリアDNA / real-time RT-PCR |
Research Abstract |
脊椎動物の「性」は主に受精時の性染色体の組み合せで決まる。両生類の多くの種では他の脊椎動物と同様に遺伝的要因で決まるが種によっては環境要因(温度)で決まることもある。本研究は両生類(ツチガエル)を用い遺伝的要因で決まると考えられている性決定機構に核ゲノムのみならずミトコンドリアにコードされている遺伝子も関与していることを実証することを目的とする。ミトコンドリアにコードされている遺伝子が関与していることを明らかにする為にツチガエルの4地方集団(未分化型XY西日本及び関東集団、分化型XY東海集団及びZW型北陸集団のミトコンドリアDNAの塩基配列を解析した。4集団のD-loop領域には明らかな塩基配列の違いがありこの違いが性決定に影響を及ぼしている可能性があることが分かった。 一方、核ゲノムの性決定の分子機構を解明するため多くの遺伝子を単離して染色体マッピングをおこなったところ、 AR,SF1, Sox3が性染色体に局在していることが分かった。これらの遺伝子のうち、 Sox3は性決定時に雌性腺で強く発現し、逆にARは雄で強く、 SF1は雌雄同等に発現していることが分かった。特にSox3はCYP19(P450アロマターゼ)の発現を促進するがその場合、プロモーター領域のSox3結合エレメントに直接結合することをChIPアッセイで明らかにし、またSox3結合領域欠失やHMGBox欠失によって促進効果が消失することをツメガエル腎臓由来のA6細胞を用いたプロモーターアッセイで明らかにした。 更にツチガエルの性決定には性染色体上の遺伝子のみならずステロイドホルモンが深く関わっていることも明らかにした。
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Research Products
(8 results)