2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19370028
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 学 The University of Tokyo, 大学院・理学研究科, 講師 (60301785)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 薫 桐蔭横浜大学, 先端医用工学センター, 助教 (70398973)
|
Keywords | 受精 / 精子活性化・誘引物質 / 精子受精能阻害物質 / 動物生理化学 / 精子走化性 / 受精能獲得 / カタユウレボヤ / マウス |
Research Abstract |
本研究は、卵由来物質による精子運動調節機構及び精漿由来物質による精子の受精能調節機構の2点を中心に研究を推進している。本年度の成果は以下の通りである。 1.卵由来物質による精子運動調節機構の解明 1-1)カタユウレイボヤ精子走化性運動時のカルシウム動態:これまでに構築した精子内カルシウム測定装置を用いて誘引物質濃度勾配中での鞭毛運動の波形と鞭毛内カルシウムの変化を調べた。その結果、精子は誘引物質濃度が極小になる点を検出し、鞭毛内カルシウムの上昇(カルシウムバースト)が生じ方向転換のための鞭毛波形変化が連続的に誘導されることが明らかとなった。1-2)卵におけるSAAFの分泌調節機構:ホヤでは受精前後に卵の精子誘引能に変化が見られるが、SAAFの合成・分泌経路や、代謝機構は全く不明である。そこで卵内におけるSAAF結合タンパク質を検索し、VCP/p97をはじめとしたSAAF結合タンパク質を同定した。VCP/p97の卵内の局在変化から、実際にSAAFと結合をしていると思われる。 2.精漿由来物質による精子の受精能調節機構の解明 2-1)SVS2 KOマウスの作成:SVS2の生理的機能をより分子的に明らかにするため、svs2遺伝子のKOマスの作成を試みている。2-3)ヒト精漿由来物質SEMGの精子に対する作用:精子運動抑制因子として知られているヒト精漿由来物質SEMGの精子に対する作用機構を調べたところ、亜鉛イオンがその作用に重要な役割を果たしていることが判った。
|
Research Products
(20 results)