2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19370029
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
富岡 憲治 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30136163)
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Keywords | 概日時計 / 時計遺伝子 / 時計タンパク質 / 昆虫 / コオロギ / シミ / 概日リズム |
Research Abstract |
1.コオロギ時計タンパク質の発現リズムの解析:作成した抗PERIOD抗体を用いて、免疫組織化学的解析を試みた。これまでに、視葉内に抗PER抗体で標識される細胞を確認した。これらの細胞の免疫染色性は夜間に高く、昼にはほとんど標識されなかった。ウエスタンブロットでも、PERIODタンパク量は夜間に多いことを確認した。今後、さらに詳細を検討する計画である。 2.コオロギ時計遺伝子の行動および光周測時における機能の解析:RNA干渉法により、period, timeless, clockの機能解析を進めた。periodおよびclockについてはRNA干渉により大多数の個体で活動リズムが消失した。timelessについては、周期は異常になるが周期性は失われなかった。従って、period, clockは時計機構に主要な役割を演ずること、timelessはハエとは異なり、時計機構への関与は弱いことが示唆された。 3.peridoの光周測時機構への関与:period mRNA発現リズムが光周期に依存して変化することを明らかにした。また、period2本鎖RNA処理した幼虫では、peirod mRNAレベルが有意に低下し、その発育過程が光周期にほとんど影響されないことを確認した。一方、DsRed2 2本鎖RNA投与群の光周反応は無処理個体とほぼ同様であった。この結果から、periodが光周測時機構に決定的な役割を持つことが示唆された。 4.シミ時計遺伝子の発現解析:マダラシミtimeless, clock遺伝子の全長cDNAの約90%を得た。明暗周期下および恒暗条件下で、これらのmRNA発現量を解析した結果、いまのところ有意な周期変動は確認できていない。これらのパートナーである、period, cycleのクローニングを行っており、今後それらの発現リズムをあわせて解析する予定である。
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