2008 Fiscal Year Annual Research Report
単一ニューロン内の転写・翻訳機構から解明する動物行動の変容機構
Project/Area Number |
19370030
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
伊藤 悦朗 Tokushima Bunri University, 香川薬学部, 教授 (80203131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕田 康一 徳島文理大学, 香川薬学部, 准教授 (50281845)
松尾 亮太 徳島文理大学, 香川薬学部, 講師 (40334338)
小林 卓 徳島文理大学, 香川薬学部, 助教 (50325867)
定本 久世 徳島文理大学, 香川薬学部, 助教 (70374220)
津田 基之 徳島文理大学, 香川薬学部, 客員教授 (60045458)
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Keywords | 行動変容 / cAMP / CREB / セミインタクト標本 / in vitro学習 |
Research Abstract |
平成20年度は,CREBタンパク質の量やリン酸化の程度と,神経ネットワークレベルでの変化を明らかにする段階に入った.そのためにボトムアップ研究の方法を開発し始めた.ボトムアップ研究とは,生物の階層性を「遺伝子発現」→「ニューロン内の情報伝達変化」→「神経ネットワークの可塑性」→「脳の機能変化」→「行動変容」の順に上がっていく研究を指す.学習効果をミミックするような実験系を,セミインタクト標本系で作り上げられれば,ボトムアップ法の解析が可能となる.ボトムアップ法の解析では,生理学的または生化学的なfictiveな変化を測定することになる.セミインタクト標本を作製し,キー・ニューロンであるCerebral Giant Cell (CGC)内のcAMP濃度,Aキナーゼの活性化程度,ならびにCREB1のリン酸化程度を薬理学的に変化させ,シナプス後細胞群での長期促通の大きさを測ることによって,学習効果の一部をミミックすることを試みた.さらには,セミインタクト標本系でin vitro学習を試みた.すなわち,個体味覚嫌悪学習と同じ味覚刺激をくちびるに与える,またはそれに替わる電気刺激をキー・ニューロンに与える,を行い,やはりシナプス後細胞群での長期促通の大きさを指標にし,学習の成立・長期記憶の形成が起きているか否かを判断した.すなわち,キー・ニューロンからシナプス後細胞群への長期促通の変化を観察するボトムアップと,in vitro学習から長期促通の変化を観察するトップダウンとを組み合わせて,機構全体を説明できるようにデータを集めている.
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Research Products
(4 results)