2009 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア農林生態系におけるアリ類の種多様性とバイオインディケーターとしての利用
Project/Area Number |
19370035
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
緒方 一夫 Kyushu University, 熱帯農学研究センター, 教授 (40224092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粕谷 英一 九州大学, 理学研究院, 准教授 (00161050)
紙谷 聡志 九州大学, 農学研究院, 准教授 (80274520)
津田 みどり 九州大学, 農学研究院, 助教 (20294910)
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Keywords | 生物多様性 / 熱帯アジア / アリ類 / 農業生態系 / 森林生態系 / 分類学情報 |
Research Abstract |
本研究は農林生態系のアリ類群集の解明と農林生態系をモデルとする群集生態理論の検証を目的とし、東アジアのアリ群集について、資料収集、分析・評価、分類情報整備などを行った。これらの成果は次の通りにまとめられる: (1) ベトナムの農業生態系で調査地を設定し、定量的なサンプリングを実施した。その結果、約50種の生息が明らかとなった。圃場あたりの種多様性は作付形態によって異なり、一年生作物や除草・薬剤散布など撹乱の頻度が多いほど種数が減少する。特にサトウキビ畑では収穫後2ヶ月と7ヶ月の圃場で後者での種の増加が見られた。サトウキビは多年生作物で、アジアの広い範囲で年1回の収穫後に株だし栽培が行われている。そこに生息するアリ類は生物多様性の緯度傾斜や攪乱の問題を扱うのに適した事例として注目される。 (2) 北関東から屋久島にいたる8つの地域の農林生態系の54サイト320のデータを除歪対応分析(DCA)により解析し、アリ群集の種構成が攪乱の程度により序列化されることが示された。されにこれらを二元クラスター分析で解析し、群集の種構成の類似性と種の出現パターンを示した。また、群集の指標種を抽出するためインディケーター値をk-means法により階層的に分析し、35種を特定した。包括的なデータによる解析はこれまで例がなく、アリ類のバイオインディケーターとしての利用が期待される。 (3) 多様な生態系に比較的普遍的に分布し、種数が多く、難分類群であるシリアゲアリ属について、整理をすすめ、新種の記載やシノニムの整理など学名について分類学的な再検討を行った。またDNAバーコードによる同定について実効性を検討するため、ウンカ・ヨコバイ類を事例に研究を推進した。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Northward range expansion by Nezara viridula(Hemiptera : Pentatomidae)in Shikoku and Chugoku Districts, Japan, possibly due to global warming2009
Author(s)
Yukawa, J., K.Kiritani, T.Kawasawa, Y.Higashiura, N.Sawamura, K.Nakada, N.Gyotoku, A.Tanaka, S.Kamitani, 他
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Journal Title
Journal of Applied Entomology and Zoology 44
Pages: 429-437
Peer Reviewed
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[Journal Article]2009
Author(s)
緒方一夫
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Journal Title
アリの世界.『昆虫のヒミツ : 九州大学総合研究博物館平成21年度公開展示』(九州大学総合科学博物館)
Pages: 8-9
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