2009 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質の中性子構造解析を推進するための技術的基盤の確立
Project/Area Number |
19370046
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
黒木 良太 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (30391246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城所 俊一 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (80195320)
岡崎 伸生 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 技術開発協力員 (60391900)
栗原 和男 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (50354890)
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Keywords | タンパク質 / 水和水 / 創薬標的タンパク質 / 結晶構造 / 中性子解析 |
Research Abstract |
平成21年度の研究実績 1)中性子利用のための基盤技術開発について 中性子解析に利用する大型結晶専用の石英キャピラリーを利用すると共に、試料を低温保持する条件を検討することによって同一結晶から中性子とX線の両方のデータの収集方法を確立した。また中性子とX線を相補的に用いることにより、ブタ膵臓エラスターゼおよびその阻害剤複合体の全原子(水素原子を含む)構造解析に成功した。後者は、JACS誌(8/12)に掲載された。水素原子の座標を含む生体水素水和水データベース(HHDB)のセキュリティ向上のための新機能を付加した。 2)タンパク質の中性子構造解析から得た情報の利用 既に解析に成功した創薬標的タンパク質の全原子構造情報をもとに新規阻害剤を設計し、該当する化合物の化学合成を行った。今後その評価を行う予定。セリンプロテアーゼには、高い活性発現に寄与する特殊な水素結合(LBHB : Low Barrior Hydrogen Bond)が存在するとされてきた。セリンプロテアーゼの一つであるブタ膵臓エラスターゼの中性子構造解析によって、LBHBの形成に関わる水素原子位置を同定し、当該の水素結合がLBHBではないと結論した。
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Research Products
(14 results)