2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19370055
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
伊東 広 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 教授 (10183005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 憲一 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (90212232)
多胡 憲治 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (20306111)
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Keywords | シグナル伝達 / 生体分子 / 薬理学 / G蛋白質共役受容体 |
Research Abstract |
Gタンパク質共役受容体(GPCR)は数多くの細胞外シグナルを認識して、そのシグナルを細胞内へ伝える重要な役割を担っている。ゲノム解析からヒト全遺伝子の数%を占める1000近いメンバーからなるGPCRファミリーが明らかとなったが、そのうちリガンド不明のOrphan受容体が200以上残っている。Orphan受容体の中にAdhesion GPCRと呼ばれる一群のファミリーが見出され、その中の一つGPR56が大脳皮質形成に関与することが示唆されている。本研究では、このGPR56の構造と機能の解明を目指した。まずマウスGPR56の細胞外ドメインを抗原としてウサギに免疫し抗体を作成した。またGPR56を過剰発現させるアデノウイルス、knock downさせるためのshRNA発現アデノウイルスを構築した。抗GPR56抗体を用いて調べたところ、神経前駆細胞の細胞膜表面にGPSドメインで切断を受けた成熟フォームとしてGPR56が存在していることが明らかとなった。また脳構造異常を示すGPR56変異体はいずれも細胞膜へ移行せず細胞内で貯留していた。またGPR56がG12/13を介してRhoの活性化、そしてアクチンフィラメントの再編成、SRE、NF-κBを介した転写を活性化する能力を有することが判明した。さらにGPR56がG12/13-Rhoのシグナル経路を介して神経前駆細胞の遊走を負に制御することが明らかとなった。また抗マウスGPR56ポリクローナル抗体がリガンドの代役となるアゴニスト活性を示す機能抗体であることを見出した。抗ヒトおよび抗マウスGPR56モノクローナル抗体も作成して、それらが機能抗体として働くかどうか検討を進めている。またリガンドをマウス胎児脳を出発材料としたアフィニディカラムによる精製とMass解析から検索し、いくつかの候補分子を同定した。
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Research Products
(7 results)