2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19370056
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
大隅 隆 University of Hyogo, 大学院・生命理学研究科, 教授 (50111787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 智広 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 助教 (50347530)
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Keywords | 脂肪滴 / PATタンパク質 / ペリリピン / MLDP / ノックアウトマウス / 脂肪細胞 / 脂肪分解 / トリグリセリド |
Research Abstract |
1.心臓において高発現している脂肪滴表面タンパク質、MLDPの機能を明らかにするため、遺伝子ノックアウトを行った。正常ホモ接合体、ヘテロ接合体、およびMLDPホモ欠損マウスは、ほぼメンデルの法則に従った分離比で生まれ、新生仔の外見には顕著な異常は見られなかった。したがって、MLDPの欠損は発生過程には大きな影響を及ぼさないと考えられた。またMLDP欠損マウスの生殖能力は正常であった。MLDP欠損マウスでは、心臓脂肪滴の消失、血中トリグリセリド量の増加などの異常が認められた。個体レベルの表現型の解析が次年度の課題である。 2.脂肪分解刺激時の脂肪滴の動態を解析するため、種々の脂肪滴タンパク質のGFP融合体を前駆脂肪細胞3T3-L1に発現させた。これらの細胞を脂肪細胞へと分化させ、脂肪分解刺激を与えた後に、高解像度蛍光顕微鏡を用いて連続観察を行った。その結果、タンパク質の種類によって、刺激前後の脂肪滴への分布、微小脂肪滴に出現するタイミング、それぞれが結合している微小脂肪滴の形状やその時間的変化などに、明らかな差が認められた。このことから、タンパク質組成の異なる複数種の微小脂肪滴が存在することが示唆された。それらの機能的関係は次年度の検討課題である。 3.脂肪滴結合タンパク質であるPATファミリーの機能を調べるため、3T3-L1前駆脂肪細胞に対して、siRNAを用いたノックダウンを行った。脂肪細胞の代表的PATタンパク質であるペリリピンをノックダウンしたところ、脂肪細胞に分化させても脂肪滴をもたない細胞が観察された。ペリリピンノックダウン細胞は、基底状態において正常細胞よりも高い脂肪分解活性を示し、脂肪分解刺激に対しても正常に応答した。この結果は、ペリリピンノックアウトマウスの表現型にもとついて提唱された、脂肪動員におけるペリリピンの機能モデルでは説明し切れず、他の因子の関与を示唆するものである。
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Research Products
(6 results)