2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19370056
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
大隅 隆 University of Hyogo, 大学院・生命理学研究科, 教授 (50111787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 智広 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 助教 (50347530)
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Keywords | 脂肪滴 / PATタンパク質 / ペリリピン / MLDP / ノックアウトマウス / 脂肪細胞 / 脂肪分解 / トリグリセリド |
Research Abstract |
1.MLDPノックアウトマウスの解析:心臓で高発現している脂肪滴表面タンパク質MLDPめKOマウスの表現型解析を、前年度から継続して行った。KOマウスには外見、生殖能、寿命などに異常は認められない。組織、生化学レベルでは、心臓脂肪滴の消失、心臓のグリコーゲンの増加、肝臓グリコーゲンの減少、血中グルコースの低下などが観察された。細胞レベルでの脂肪酸代謝能を調べるため、心筋細胞と肝細胞を分離し、放射性脂肪酸を用いてβ酸化活性を調べる実験の条件検討を行い、適切な条件をほぼ確立した。また持久力を調べるため、自発運動と強制運動の実験を行っている。 2.脂肪分解刺激に応答した微小脂肪滴形成過程の解析:脂肪分解刺激時に出現する微小脂肪滴にどのようなタンパク質が存在するかを調べるため、種々の脂肪滴結合タンパク質やリパーゼと、GFPまたはmCherryとの融合タンパク質を、レンチウィルスベクターを利用して3T3-L1細胞に種々の組合せで発現させる系を確立した。生細胞を用いた連続二重蛍光観察の結果、これらのタンパク質の局在は刺激に応答して劇的に変化するが、それらの分布は予想以上に多様であることがわかった。この結果は、微小脂肪滴がきわめて不均一であることが示している。またこの過程では、脂肪分解で生じた脂肪酸が、高い割合でトリグリセリドへと再合成されていることも示され、微小脂肪滴の少なくとも一部は、この再合成を反映していることが示唆された。 3.PATタンパク質の機能特異性の解析:3T3-Ll細胞でPATタンパク質を個別に、または組み合わせてノックダウンし、それらの機能を調べた。ペリリピンについてはノックダウン効率が低い一方でオフターゲットが激しく、ノックダウンの効果について明確な結論を得るには至らなかった。ADRPのノックダウンでは、分化した脂肪細胞での脂肪分解能に変化はないが、未分化細胞では脂肪蓄積能が低下することが示され、ADRPが脂肪蓄積を促進する作用をもつことがわかった。
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Research Products
(9 results)