2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19370067
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
神取 秀樹 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (70202033)
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Keywords | 生物物理 / 生体分子 / レチナール / 水素結合 / ナノバイオ |
Research Abstract |
本研究では近年、新たに発見された古細菌型ロドプシンに対して系統的な赤外分光を行い、光がどのようにエネルギーや情報へと変換されるのか、そのメカニズムを明らかにすることを目指している。特に、我々が世界をリードしてきた既知の古細菌ロドプシン(ポンプのバクテリオロドプシン、ハロロドプシン、センサーのフォボロドプシンなど)の赤外分光との比較を徹底的に行い、ロドプシンが機能する際の構造変化について統一的な原理を見出すことを目指す。具体的な測定対象としては、真正細菌や真核生物に見出されたロドプシンを考えているが、本年度はProteorhodopsin(PR), Anabaena Sensory Rhodopsin(ASR)などに対して以下の成果を得た。 海洋性バクテリアに千種類以上も存在するPRについては、レチナールから遠隔部位のアミノ酸変異が色を変えるというこれまでの常識に完全に反した現象を昨年度、発見したが、本年度はこの研究をさらに進め、これがPRに特有であること、さらに部位特異的であることを見出した。フォトクロミズムセンサーとして機能するASRにはプロトンポンプ活性がないとされていたが、我々は1アミノ酸の変異により、内向きのプロトン輸送を実現することに成功した。 一方、古細菌型ロドプシンの測定としてはバクテリオロドプシンやセンサリーロドプシンの研究を発表することができた。それ以外の成果も含め、11編の原著論文を世に出すことができた。また、8件の招待講演を含む43件の学会発表を行った。
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Research Products
(54 results)