2007 Fiscal Year Annual Research Report
モデルG蛋白質共役受容体を制御する水・結合分子の高分解能解析
Project/Area Number |
19370071
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
岡田 哲二 Gakushuin University, 理学部, 客員研究員 (10271545)
|
Keywords | 生物物理 / シグナル伝達 / 膜蛋白質 / 結晶構造 / 活性制御 |
Research Abstract |
G蛋白質共役型受容体(GPCR)は多様な刺激(情報伝達物質、ホルモンなど)に対応して存在する一方、各々は生体内での発現量が少ない。また各種培養細胞系を用いた強制発現についても成功例は少なく、蛋白質レベルでの研究の進展は緩やかなものである。モデルとして光受容体ロドプシンの構造解析研究を発展させることは、その活性化メカニズムを理解する上でも、また構造未知の受容体研究を促進する上でも重要である。ロドプシンの7回膜貫通ヘリックス領域は、多くのGPCRと相同性もあり、また情報受容機能上重要なリガンド結合部位も含んでいるため、詳細な構造解析ターゲットとして興味深い。本研究では、この領域における内在性水分子・水素結合の動態や活性制御部位を明らかにする。本年度は、網膜由来の試料を用いた既知の高分解能結晶化条件において、これまでに予備的実験を進めてきたレチナール類縁体やクロリン類似の分子など、これまでの知見から候補として考えられる活性制御因子の存在下で検索を行い、複合体結晶からのデータ収集を行ったところリガンド結合経路に通ずると考えられる部位を新たに示唆する結果が得られた。これは、視覚の速やかな回復の観点からも重要な意義があると考えられる。一方、更に新規の結合分子を検索するために、選択的抽出法を利用した独自の発想をスタートとして効率的なスクリーニング方法の確立も試みている。また、光異性化直後に生成する2つの中間状態の結晶構造については、従来のモデル分解能を向上させ、水分子の変化を含めたモデルを構築するためのデータ収集を行い、精密化計算を進めた。また、より高い温度で生成する中間体を捕捉する実験も行った。
|
Research Products
(3 results)