2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19370074
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大矢 禎一 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20183767)
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Keywords | 細胞壁 / 出芽酵母 / 細胞周期 / HOG / MAP kinase / シグナル伝達 / 紡錘体 / M期 |
Research Abstract |
全ての真核細胞は固有の形をしており、細胞の形は生物の機能と密接に関係している。そこで、真核単細胞のモデルである出芽酵母を用いて、「細胞周期進行」という時間軸に添って細胞の形態形成が正しく起きるメカニズムを解明することを目的にした。我々は、新規細胞周期チェックポイントである細胞壁チェックポイントの研究を行い、この新しい細胞壁チェックポイントにはダイナクチン、フォークヘッド型転写活性化因子に加え、Hoglp MAPK情報伝達経路、複数の核移行機構などが関与していることを明らかにした。特に、細胞壁チェックポイントが働いている時に、Hoglp MAPKが活性化しているかどうかを活性化型Hoglpのみを認識する抗体を用いて調べたところ、わずかではあるが、Hoglp MAPKが活性化していることが明らかになった。一方、細胞周期に依存した空間形成に関する研究を行い、細胞周期エンジンであるCDK(サイクリン依存性プロテインキナーゼ)から細胞壁と細胞空間の形成に重要な働きを持つRho型GTPaseにGTP/GDP交換因子を直接活性化することにより細胞周期シグナルが伝達されることを明らかにした。こうして細胞の形態形成をモニターして細胞周期の進行制御を行う「細胞壁チェックポイント」に関する研究と、「細胞周期に依存した空間形成」に関する研究の両面から行うことにより、出芽酵母細胞の形態形成に関する研究を行うことができた。
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