2009 Fiscal Year Annual Research Report
特異的ヒストン修飾を持つクロマチンの構造と動態の解明
Project/Area Number |
19370076
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 宏 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 准教授 (30241392)
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Keywords | ヒストン / クロマチン / エピジェネティクス / 細胞核 / 蛋白質翻訳後修 / 生細胞観察 / 転写制御回 |
Research Abstract |
クロマチン免疫沈降(ChIP)とプロテオミクスを用いた生化学的方法、及び、蛍光標識抗体を用いた細胞生物学的方法により、特異的な修飾をもつヒストンが濃縮されたクロマチンの構造と動態を明らかにすることを目的として本研究を行った。修飾ピストンとRNAポリメラーゼIIに特異的モノクローナル抗体を用いてChIPを行い、プロテオミクス解析により回収されたクロマチンの構成成分を同定した。また、ホルムアルデヒドによるクロスリンクの影響を検討したところ、クロスリンク処理したクロマチンを用いたほうが多種類の蛋白質が同定されたが、両者で共通して検出される蛋白質も多く同定された。従って、これらの方法を併用することで、特定のヒストン修飾を持つクロマチンに強固に結合する蛋白質と一過性もしくは弱く結合する蛋白質を区別できると考えられた。また、ヒストン修飾特異的抗体やそのFab断片を蛍光標識し、培養細胞に導入することで、様々なヒストン修飾を生きた細胞内で検出する方法を確立した。特に、ヒストンH2B-mRFPを発現する細胞を用いて、特定の修飾とヒストン全体の分布を生きた細胞内で比較することが可能になった。ジメチル化H3K9抗体は、H2B-mRFPと同様にクロマチン全体に局在するが、アセチル化H3K9/K27抗体はH2B-mRFPが濃縮されない脱凝縮したユークロマチン部分に局在した。また、不活性X染色体を持つ細胞にトリメチル化H3K27抗体を導入すると不活性X染色体に局在し、生きた細胞で不活性X染色体のダイナミクスを可視化することが可能になった。
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