2007 Fiscal Year Annual Research Report
RacGAP因子FilGAPによる細胞運動,接着極性形成に関する研究
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19370081
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
太田 安隆 Kitasato University, 北里大学理学部, 教授 (90192517)
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Keywords | 細胞運動 / 細胞接着 / 細胞極性 / 低分子量GTP結合タンパク質 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
平成19年度には、FilGAPのリン酸化による活性化機構を明らかにすることを目標に研究を行い、以下の成果を得ることができた。 1 非リン酸化型状態で細胞接着班に局在するのに必要なFilGAP最小ドメインの同定 FilGAPのリン酸化部位とcoiled-coilドメインを含むC端(a.a.372-748)が細胞接着班に局在する最小ドメインであることがわかった。そこで、リン酸化型、非リン酸化型FilGAPに特異的に結合する因子の検索はこのドメインを使って行った。 2 リン酸化型、非リン酸化型FilGAPに特異的に結合する因子の単離同定 リン酸化型FilGAP(ST/D)と非リン酸化型FiIGAP(ST/A)をGST融合タンパク質として大腸菌で作成し、これをリガンドに用い、HEK細胞抽出液中でリガンドに結合する分子を検索した。また別に、リン酸化型FilGAPと非リン酸化型FilGAPをGST融合タンパク質としてHEK細胞内で発現させ,細胞を破砕後、GST融合タンパク質を回収し、それに結合しているタンパク質を分離した。両方法ともに複数のタンパク質を分離することができた。現在、結合したタンパク質を質量分析によって同定中である。 3 FilGAPの活性制御に重要なリン酸化部位の同定 FilGAPのROCKによる6箇所のリン酸化部位のうち、どれが活性制御に重要であるか検討した。非リン酸化型FilGAPを導入した細胞は、細胞外マトリックス上に接着後、葉状仮足を形成しながら速やかに進展する。この現象を利用して6箇所のリン酸化部位をそれぞれアラニンに置換したFilGAP変異体を作成し、HeLa細胞に導入し、細胞の細胞外マトリックス上への進展を検討した。その結果402番目のセリン残基をアラニンに置換した変異体が一番速やかに基質上に進展することが明らかになった。
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