2008 Fiscal Year Annual Research Report
RacGAP因子FilGAPによる細胞運動、接着、極性形成に関する研究
Project/Area Number |
19370081
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
太田 安隆 Kitasato University, 理学部, 教授 (90192517)
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Keywords | 細胞運動 / 細胞接着 / 細胞極性 / 低分子量GTP結合タンパク質 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
平成20年度には、FilGAPのリン酸化による活性化機構とFilGAPのPHドメインの機能を明らかにすることを目標に研究を行い、以下の成果を得ることができた。 1非リン酸化型FilGAPに特異的に結合する因子の同定 リン酸化型FilGAPと非リン酸化型FilGAPをGST融合タンパク質としてHEK細胞内で発現させ,GST融合タンパク質を回収し、それに結合しているタンパク質を分離した。質量分析により非リン酸化型FilGAPに特異的に結合する分子が同定できた。結合分子の遺伝子全長を単離し、大腸菌でタンパク質として発現させ精製したところ、この因子は非リン酸化型FilGAPに直接結合することが明らかになった。現在,この因子によるFilGAPの阻害効果を検討中である。 2FilGAPの特異的抗リン酸化抗体の作製 FilGAPのROCKによる6箇所のリン酸化部位のうち、402番目のセリン残基がFilGAPの活性化に重要である。そこで402番目のセリンがリン酸化されているFilGAPを特異的に認識する抗体を作成した。この抗体を用いてFilGAPの細胞内でのリン酸化の解析を進めている。 3FilGAPのPHドメインの機能解析 FilGAPの活性がPI3キナーゼの下流にあるかどうか検討した。FilGAPを細胞内で過剰発現させたときにできるBleb構造は、PI3キナーゼの特異的阻害剤処理で消失しなかった。また、39番目のアルギニンをシステインに置換し,PIP3に結合しない変異FilGAP(R39C)を作成し,細胞内で過剰発現させたところ、この変異体もBleb構造を形成した。以上から、FilGAPのPHドメインはPIP3以外の因子と結合していることが示唆された。現在、FilGAPのPHドメインに特異的に結合するタンパク質を検索中である。
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