2009 Fiscal Year Annual Research Report
RacGAP因子FilGAPによる細胞運動、接着、極性形成に関する研究
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19370081
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
太田 安隆 Kitasato University, 理学部, 教授 (90192517)
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Keywords | 細胞運動 / 細胞接着 / 細胞極性 / 低分子量GTP結合タンパク質 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
平成21年度には、20年度に引き続きFilGAPのPHドメインの機能解析を行い、以下の成果を得ることができた。 1 FilGAPのPHドメインに特異的に結合するタンパク質の同定 FilGAPの細胞内過剰発現による細胞形態の変化(Bleb形成)がPIP3非依存性であることからFilGAPのPHドメインに結合するタンパク質の単離を試みた。FilGAPのPHドメインはsmall GTPase Arf6のGEFであるARNOのPHドメインと相同性が高い。ANROのPHドメインは活性型Arf6と直接結合するので、FilGAPのPHドメインもArf6と結合するか検討した。 2 FilGAPとArf6の結合解析 Flag-FilGAPと活性型HA-Arf6Q67LをHEK細胞に導入し、Flag抗体でFilGAPを免疫沈降したところ、Arf6が共沈降した。野生型Arf6も共沈降したが、非活性化型Arf6T27Nは共沈降しなかった。また、FILGAPのPHドメインを細胞内で発現させても活性型ARF6Q67Lが共沈降してくるので、ARF6はFilGAPのPHドメインを介して結合していることが示唆された。 3 FilGAPとArf6の機能連関の解析 ARf6はRacを介してアクチン系細胞骨格を再構築し細胞形態や細胞運動を制御している。そこでFilGAPが、Arf6を介したRacの活性制御に関与しているか検討した。第一に、活性型Arf6はFilGAPのGAP活性を亢進させ、細胞内のGTP型Racを減少させた。第二に、ヒト乳がん細胞MDA-MB-231に活性型Arf6を導入すると細胞は葉状仮足を形成し、伸長した形態になる。この細胞において内在性FilGAPの発現をsiRNAで抑制すると、伸長した細胞数が増加した。以上から,FilGAPはArf6の下流でRacを負に制御している因子であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)