2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインキナーゼTORによる細胞周期関連タンパク質の分解制御の網羅的解析
Project/Area Number |
19370082
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
丑丸 敬史 Shizuoka University, 理学部, 教授 (50262788)
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Keywords | TOR / ラパマイシン / 細胞周期 / 出芽酵母 / タンパク質分解 / ユビキチンリガーゼ |
Research Abstract |
栄養源に応答したプロテインキナーゼTOR(target of rapamycin)の活性をラパマイシンで阻害した場合に、分解が促進されるタンパク質を下記のように同定した。 1) ウエスタンブロットでの検出のためタグをつけてあるタンパク質を発現する酵母株を400種弱セレクトし(選定基準は、細胞周期進行に関連したタンパク質であるか)、それを用いてウエスタンブロットによりラパマイシン処理により特異的に減少するタンパク質をスクリーニングした。 2) 上記によりスクリーニングされたものの中で、ラパマイシンにより分解が促進されるタンパク質を同定する。分解、GALプロモーターに目的の遺伝子を融合させて(このプロモーターは人為的にオンオフできる)、転写をシャットオフさせた後のタンパク質レベルの推移(分解程度)をウエスタンブロットにより評価する。 以上の手順を踏んだ結果、細胞周期進行制御に関わる複数のタンパク質を同定した。以上の結果を受けて、現在、ラパマイシンによる分解促進機構の解析を行っている。 分解機構の解析は下記のような手法を用いて行っている。 1) 細胞周期進行制御に深く関与するユビキチンリガーゼE3であるAPC/CおよびSCFの変異株を用いてこれらの分解の関与を検証する。 2) TOR下流のプロテインキナーゼおよびプロテインフォスファターゼの変異株を用いて、分解を制御している径路を推定する。 3) 分解されるタンパク質の削り込み(deletion)変異を作成し、分解に必要なcis配列を同定する。
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