2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内小器官ゴルジ体・小胞体の形成維持のための分子機構
Project/Area Number |
19370088
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
近藤 久雄 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 教授 (20205561)
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Keywords | ゴルジ体 / 小胞体 / 膜融合 / p97ATPase / VCIP135 / p47 / 脱ユビキチン |
Research Abstract |
我々が1997年に発見した細胞内膜融合機構p97/p47経路の新規必須因子であるp87を発見することが出来た。この新規因子は、我々が2002年に同定した必須因子VCIP135の結合性を示す蛋白質として単離同定された。p87は、p97存在下でVCIP135と強く結合し、VCIP135/p97/p87の三者複合体を形成する。 VCIP135は脱ユビキチン化活性を示すので、p87の結合によるその脱ユビキチン化活性に対する影響を検討した。VCIP135単独での脱ユビキチン化活性は大変に低いが、p87が結合することにより活性がやや上昇し、さらに VCIP135/p87/p97の三者複合体を形成することによりVCIP135の脱ユビキチン化は強く活性化される。 p87の細胞内局在を検討したところ、ゴルジ体に局在していた。また、siRNA法でp87の発現を抑制すると、ゴルジ体の扁平膜積層構造が失われた。同時に、試験管内ゴルジ体再構成系を用いてp87の機能を検討した。その結果、p87はp97/p47経路によるゴルジ体の再構成に必須の蛋白質であることが分かった。p97ATPaseによるもう一つの細胞内膜融合機構、p97/p37経路ではp87は機能していない事も明らかとなった。 p97/p47経路はゴルジ体の形成のみならず、小胞体の形成維持に必須である。そこで、p87の小胞体形成への関与についても検討した。このため我々がこの程確立した試験管内小胞体再構成系を用いた。p97/p47経路は小胞体の形成に働き、その際にはVCIP135を必要とするが、VCIP135の脱ユビキチン化作用は必要とされず、またp87も必要ではなかった。
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