2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞が形成されるメカニズムを明らかにする新たなモデルの提唱
Project/Area Number |
19370092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多羽田 哲也 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 教授 (10183865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 純 金沢大学, フロンティアサイエンス機構, 准教授 (30345235)
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Keywords | ショウジョウバエ / メダラ神経 / proneural wave / proneural gene / Upd / 神経前駆細胞 |
Research Abstract |
視覚中枢であるメダラ神経の形成は神経上皮細胞が増殖することに始まる。次に,最外側に位置する神経上皮細胞がProneural遺伝子群に属する遺伝子を発現し,その細胞は直ぐに神経芽細胞となる。これを時系列で追ってみると,最内側から始まるProneural遺伝子の発現は1細胞ずつ外側へ向かって神経上皮細胞列を上っていく。それは神経芽細胞を形成する波が規則正しく一方向に動いていくようであり,proneural waveと名付けた。今まで知られている神経芽細胞,神経幹細胞の形成は神経上皮細胞からproneural遺伝子を誘導する一群のポテンシャルを持った細胞が形成され,その後に「確率論的」に神経幹細胞が誘導される,というものであった。しかしながら,本実験系では「決定論的」に規則正しく進むために今まで詳細が不明であった形成機構を明らかにできる。本年度はProneural waveの進行を制御するメカニズムを解明することを目的とした。JAK/STAT信号系のリガンドであるUpdは最外側の神経上皮細胞で発現する。また,同信号系の活性は外側から内側に向かい〓していく。同信号系の機能喪失変異クローンを作成するとproneural waveの進行が速くなり,逆に構成的活性型変異のクローンでは進行がた,なった。このことからJAK/STAT信号系がproneural変異の進行を負に制御していることが明らかとなった。Unpairedが最外側の神経上皮細胞でのみ発現していることから,神経上皮細胞の増殖に従って最内側の細胞はJAK/STATの抑制から逃れproneural waveの進行が始まるのかもしれない。また,発生の後期ではUpdの伝播様式が変わるのか,JAK/STAT活性がLamina神経領域に限局され,神経上皮の活性が低くなることもproneural waveの進行を助けていると考えられる。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] Concentric zones, cell migrations and neuronal circuits in the Drosophila brain.2007
Author(s)
Sato, M., Kitada, Y., Tai, M, , Umetsu, D.& Tabata, T.
Organizer
Cold Spring Harbor Laboratory Meeting
Place of Presentation
Cold Spring Harbor,USA
Year and Date
20071003-1007
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