2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19370105
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
渡辺 一志 Osaka City University, 都市健康・スポーツ研究センター, 教授 (50167160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 勝夫 金沢大学, 医薬保健研究域医学系, 教授 (60190089)
国田 賢治 札幌国際大学, スポーツ人間学部, 教授 (20316003)
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Keywords | 頚部前屈姿勢 / 構え姿勢 / 脳賦活 / 筋血流 / 近赤外分光法 / 課題依存性 |
Research Abstract |
これまでに、頚部前屈姿勢(構え姿勢)保持に伴う脳の賦活作用が、全身的協関をもって体性神経系への影響のみならず、自律神経系へも影響を及ぼし上肢や下肢の筋血流の増加を惹起させることを明らかにした。この現象は、それまでの運動経験によって修飾される自律神経の支援機構であることを明らかにした。本年度は、運動の遂行課題を付加した場合に、その筋の筋血流増加に課題依存性の影響が局所性に生じるのかどうかを明らかにすることを目的とした。循環変量として、心電図、瞬時血圧、インピーダンス法による心拍出量、末梢の循環変量として、近赤外分光法による筋内酸素動態の変化とレーザードップラー法による皮膚血流量の変化を右側上肢の上腕二頭筋、上腕三頭筋の2部位について測定を行った。また、筋活動の状況を把握するために、筋電図を測定した。全てのデータは、一旦コンピュータに取り込み分析した。(1) 頚部前屈角度20度、(2) 頚部前屈角度20度で肘屈曲動作課題の2条件を設定する。(1) の条件については、安静状態から頚部前屈角度を20度に設定し、1試行30秒間ずつ3試行行う。試行間には3分の休憩をとった。(2) の条件については、その課題の負荷強度を最大随意収縮(MVC)の20%に設定し、頚部前屈角20度を保持してから予備刺激から30秒以内本刺激を提示し課題を行わせた。予備刺激から本刺激までの時間は、ランダムとした。指標の点灯に対してできる限り素早く20%MVCの力発揮を行い、力発揮の大きさは、オシロスコープによって被検者に視覚フィードバックさせた。頚部前屈による脳賦活作用が上肢血流に認められた被験者では、局所性の筋血流増加に有意な課題依存性の影響は認められなかった。しかしながら、脳賦活作用の認めらなかった一部の被験者において、課題依存性に伴う血流増加が認められ、その可能性が示唆された。
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