2008 Fiscal Year Annual Research Report
全ゲノムタイリングアレイを利用した生殖系列特異的なDNAメチル化パターンの解明
Project/Area Number |
19380004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中園 幹生 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (70282697)
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Keywords | イネ / 生殖系列 / DNAメチル化 / タイリングアレイ / LMD |
Research Abstract |
植物では、生殖過程でのダイナミックなDNAメチル化/脱メチル化の変化が重要であることは、ゲノムインプリンティングなど限られた例が明らかになっているのみで、その全容はよく分かっていない。さらに、雑種強勢・雑種弱勢や異質倍数体化にDNAメチル化などのエピジェネティックな情報の変化が関わることが明らかになりつつあり、植物進化との関連が議論されている。このような状況の中、生殖系列や胚発生過程でのゲノムワイドなDNAメチル化の変化を解析し、エピジェネティックな制御を受ける遺伝子を多数同定することは必要不可欠であると考えられる。 本研究課題では、LMDの技術により胚・胚乳などの生殖系列の組織をイネより単離し、全ゲノムタイリングアレイを利用して、メチル化DNAのパターンの異なる領域をゲノムワイドに調査するというものである。本年度は、DNAメチル化の検出系を確立させるために、イネのイネ品種「日本晴」「キタアケ」の全DNAを抽出し、bisulfite処理(非メチル化シトシンはウラシルに変換されるが、メチル化シトシンは変換されないため、メチル化シトシンと非メチル化シトシンを区別することができる)を行い、イネのインプリント遺伝子領域において、DNAメチル化の程度を調査した。その結果、bisulfite処理の条件を確立させることができたので、平成21年度は、LMDを用いて未熟な胚、胚乳を単離後、タイリングアレイによるメチル化領域の解析を行う。
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