2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380009
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
平沢 正 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (30015119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 泰一郎 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (80213643)
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Keywords | イネ / 気孔伝導度 / 吸水能力 / 光合成速度 / 染色体断片置換系統 / 窒素含量 / 水の通導抵抗 / 量的形質遺伝子座 |
Research Abstract |
吸水能力の高い多収性インド型水稲品種ハバタキ、日本型標準品種ササニシキとコシヒカリ、およびこれらから作出された量的形質遺伝子座(QTL)解析用実験系統群を用い、以下の成果を得た。 1. 吸水、水輸送能力を高めることに関わる染色体領域の絞り込み コシヒカリとハバタキの染色体断片置換系統(CSSL)を作出して検討した結果、第4染色体の長腕側の2.13Mbpの区間と第8染色体の短腕側の1.45Mbpの区間に、水の通導抵抗を小さくすることに関わる染色体領域があることが分かった。 2. 根の吸水能力が葉の最大光合成速度能力に及ぼす影響の解析 水の通導抵抗が小さく、吸水、水輸送能力の高いハバタキは、蒸散の盛んな日中の光合成速度だけでなく、蒸散の少ない朝の最大光合成速度も高い。ハバタキの最大光合成速度の高い要因を検討した結果、以下のことが明らかとなった。 (1) ハバタキはササニシキに比較して、窒素施用量を等しくても葉の窒素含量が高くなることによって最大光合成速度が大きくなる。 (2) ハバタキはササニシキに比較して、葉の窒素含量が等しくても気孔伝導度が大きいことによって最大光合成速度が大きくなる。 (3) 光合成速度測定中に葉の基部を切断すると、ササニシキの光合成速度はイワノフ効果によって大きく増加してハバタキの光合成速度とほぼ等しくなることから、ハバタキの気孔伝導度が大きいのは、水の通導抵抗が小さいことによっていることが推察された。
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Research Products
(4 results)