2007 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズ生育初期の湿害発生時におけるタンパク質群による制御機構解明
Project/Area Number |
19380015
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
小松 節子 National Agricultural Research Organization, 作物研究所・大豆生理研究チーム, チーム長 (90355751)
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Keywords | ダイズ / 湿害 / プロテオーム |
Research Abstract |
ダイズ生育初期における湿害発生機構を、未知の湿害発生機構の存在も視野に入れて、タンパク質レベルから包括的に解析し、タンパク質間相互作用解析により湿害発生ネットワークを明らかにする。本年度は、ダイズ出芽後の冠水ストレスに対する細胞内小器官に存在するタンパク質群の変動をプロテオミクス法で解析した。 1.ダイズ播種後2日目で冠水処理し、2日目に生育の抑制された根のタンパク質を用いてプロテオーム解析を行った結果、208個中44個のタンパク質が顕著に増減した。 2.Peking、エンレイ、タマホマレ、Williams82、サチユタカ、ナカセンナリに関してプロテオーム解析を行った結果、44個のうち10個のタンパク質が、品種間に関係なく変動した。 3.10個のタンパク質のうち、湿害で顕著に発現量の減少するタンパク質を質量分析計で解析した結果、細胞質型アスコルベートパーオキシダーゼ2(cAPX2)であった。 4.ダイズAPXは2種類存在し、その相同性は95%であり、イネやアラビドプシスでは、ストレスで増加することが報告されている。 5.APXは冠水ストレスにより、ノーザンブロットを用いての転写レベルでも顕著に減少し、酵素活性測定により活性レベルでも顕著に減少していた。 今後、細胞膜に対する湿害の影響を解析すると同時に、既に検出されたタンパク質・遺伝子に関しては器官特異性や細胞内局在等を解析し機能を明らかにする。
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