2010 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズ生育初期の湿害発生時におけるタンパク質群による制御機構解明
Project/Area Number |
19380015
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
小松 節子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究所大豆生理研究チーム, チーム長 (90355751)
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Keywords | ダイズ / 湿害 / プロテオーム |
Research Abstract |
ダイズ生育初期における湿害発生機構を、未知の湿害発生機構の存在も視野に入れて、タンパク質レベルから包括的に解析し、タンパク質間相互作用解析により湿害発生ネットワークを明らかにする。昨年度までに、冠水処理下のダイズにおける細胞膜と細胞壁のタンパク質群の変動を明らかにし、本年度は、ミトコンドリアタンパク質の変動を解析した。さらに。冠水抵抗性突然変異ダイズを用いて、プロテオーム解析を行なった。 (1)γ線照射突然変異ダイズ用いてダイズ出芽期の冠水抵抗性試験を継続し、M4世代において、冠水抵抗性を示す耐湿性ダイズ3系統を選抜した。いずれも冠水ストレスによる根の傷害を克服する能力が強いことを明らかにした。 (2)冠水抵抗性突然変異ダイズにおいて二次元電気泳動を基盤にしたプロテオーム解析を行った。系統1に関しては野生株と比較してアルコール脱水素酵素が顕著に増加していることを明らかにした。系統2については野生株と比較して、冠水条件下で変動するタンパク質群が顕著に減少していることを明らかにした。 (3)冠水条件下で変動するミトコンドリアタンパク質のプロテオーム解析を行った結果、クエン酸回路および電子伝達系の複合体IとIIは活性化するが、複合体III、IV、Vを阻害されATP産生を抑制することにより、エネルギー代謝効率は低下することを証明した。
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