Research Abstract |
平成19年度は,以下の2点の課題を重点的に行った。 1.郊外における空閑地の発生状況とその要因の検討のためのデータベース整備 千葉県柏市,茨城県牛久市,埼玉県鳩山町,群馬県足利市などの都心から距離や地形条件の異なる郊外地域を対象に,複数年次の空中写真,ゼンリン住宅地図,地形図等を用いた緑地(空閑地,里山林,農地など)の抽出,分類を行った。緑地の抽出分類に当たっては,空閑地の管理状況や農地の耕作放棄,里山林の植生などを反映した土地被覆分類を用いた。得られたデータは,GISのポリゴンデータとして整理し,分布状況,変遷等の解析を実施した。 2.空閑地,里山林,都市近郊農地などの郊外地域の緑地が有する環境保全機能の整理と定量的な評価 各緑地がそれぞれどのような環境保全機能を発現する可能性を有しているのかについて整理するとともに,以下の2つの機能について定量的な評価を試みた。 (1)緑地の気候緩和機能については,関東地域の都市近郊地域に多く残存する谷津田を対象に現地実測による調査を実施し,谷津田と斜面林の組み合わせが有する気温緩和効果を明らかにした。 (2)地域循環系の構築という視点から,里山林のバイオマスが,地域のエネルギー利用と二酸化炭素の削減に寄与する可能性を,植生調査等にもとづく解析により明らかにした。
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