Research Abstract |
平成20年度は,以下の2点の課題を重点的に行った。 1.郊外における空閑地・里山・都市近郊農地の分布及び発現機能の解析 千葉県,埼玉県,栃木県,神奈川県,東京都などの関東地方を中心に,空閑地・里山・都市近郊農地の分布と変遷及び各緑地が有する環境保全機能の発現の可能性と地域ごとの期待される機能の解析を実施した。空閑地について,千葉県柏市,東京都日野市,栃木県足利市などを対象に分布と変遷の把握し,詳細な空閑地の類型化と発生メカニズムの提示を行った。結果をもとに災害に対する脆弱性・農的な利用などの観点から評価を試みた。里山・都市近郊農地については,下総台地,比企丘陵地域を対象に分布と変遷を把握し,木質バイオマスの活用,非農業的利用,一時避難場所などの防災上の観点から評価した。 2.都市住民による農的活動・緑地管理活動の実態把握 千葉県,埼玉県,東京都などの地域を対象に都市住民による農的活動・緑地管理活動の実態把握を実施した。東京都国分寺市,練馬区において,農家・都市住民・自治体担当者・JAなどへの聞き取り調査等をもとに,市民農園,体験農園・援農ボランティアなどの多様な都市住民による農的活動の実態の把握を試みた。埼玉県鳩山町・嵐山町において,農家・自治体担当者等への聞き取り調査により,地域農業の現況と都市住民の農的な活動の関係の把握を行った。千葉県柏市・船橋市等において,里山保全を実施する団体とその関係者にヒアリング調査を実施し,里山に関わる主体及び里山保全に関わる制度の現況把握を行った。
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