2008 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンナシ自家不和合性を制御するS遺伝子座の分子遺伝学的・組織学的解剖
Project/Area Number |
19380020
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
安田 剛志 (高崎 剛志) Kobe University, 農学研究科, 准教授 (30314511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 杓允 神戸大学, 農学研究科, 教授 (20147094)
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Keywords | 自家不和合性 / ニホンナシ / S-RNase / F-boxタンパク質 |
Research Abstract |
ユビキチンを介したタンパク質分解系に関与するF-boxタンパク質がゴマノハグサ科,サクラ亜科の花粉側S遺伝子として同定されている.ニホンナシの花粉側S遺伝子を同定するため,S4-とS2-RNase周辺のBACコンティグの配列解析を進めている.今年度は5個のBACクローンの配列解析を行った.そのうち,3個のBACクローンの全長配列を決定し,S4-RNaseの上流289kbと下流358kb,S2-RNaseの上流10kbと下流230kbの配列を明らかにした.GENSCANにより遺伝子を予測し,BLASTXを用いたホモロジー検索した結果,新規のF-boxタンパク質遺伝子が見出され,S4-とS2-RNase周辺領域にはF-boxタンパク質遺伝子がそれぞれ6個と5個存在することが明らかになった.RT-PCR解析により,これらF-box遺伝子は花粉特異的に発現することが確認された.S4F-boxとS2F-box遺伝子間の推定アミノ酸レベルの相同性は63〜84%であった.特にS4F-box6とS2F-box5,S4F-box0とS2F-box6は80%以上の高い相同性を示したが,多型性がないとは言い切れず,同定されたS-RNase周辺に存在するF-boxタンパク質遺伝子はいずれも,花粉側S遺伝子候補となりうると考えられた. 免疫電顕を用いてS-RNaseの花粉管内の局在を明らかにするため,84ホモ個体の雌しべにS4およびS2ホモ個体の花粉を受粉し,受粉12時間後の花柱をパラフォルムアルデヒドで固定した.予備実験として抗カロース抗体を用いて,超博切片における花粉管の局在を明らかにした.
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