2009 Fiscal Year Annual Research Report
アブシシン酸水酸化酵素の制御による果樹の水分ストレス耐性付与技術の開発
Project/Area Number |
19380025
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
近藤 悟 Chiba University, 大学院・園芸学研究科, 教授 (70264918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 伸博 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00165151)
菅谷 純子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (90302372)
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Keywords | ABA8'立水酸化酵素 / アブシシン酸 / リンゴ / 気孔開度 / 水分ポテンシャル |
Research Abstract |
80日齢のリンゴ実生を供試し、アブシシン酸(ABA)8'位水酸化酵素に特異性が高いと考えられる、新規に合成したウニコナゾール類縁体を実生に散布処理し、ABA代謝、水分ポテンシャル、気孔開度などに及ぼす影響を観察した。さらにABA合成経路の中で、ABAの上流に位置する酵素であるネオキサンチン酸化開裂酵素(NCED)およびABAの下流に位置する酵素であるABA8'位水酸化酵素(CYP707A)遺伝子の単離を行い、乾燥ストレスおよびABA代謝との関連を検討した。ウニコナゾール類縁体を処理した実生の内生ABA濃度は、無処理区に比較して高く推移した。一方、ABA代謝物の内生ファゼイシ酸(PA)濃度は、ABAと逆の傾向を示した。また、葉の水分ポテンシャルは無処理区に比較し、処理区で高く保持された。加えて、気孔開度は処理区で速やかに低下した。これらの結果は、ウニコナゾール類縁体がABA8'位水酸化酵素活性を抑制し内生ABA濃度を高め、気孔閉鎖を早めおことを示唆する。MdNCEDの発現は、水分ストレス処理後大きく増加した。しかしながら灌水後、その発現は急激に低下し内生ABAの推移と一致した。ウニコナゾール類縁体を処理した実生のMdCYP707Aの発現は、処理24時間後速やかに減少した。しかしながら、乾燥下ではMdCYP707Aの発現は徐々に増加した。これは乾燥下での内生ABAの増加に原因するものと考えられた。乾燥ストレス処理20日後、無処理区の実生は枯死したが、処理区の実生は生存できた。処理による内生ABA蓄積の作用と考えられた。
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[Journal Article] Absinazole-F1, a conformationally restricted analogue of the plant growth retardant uniconazole and an inhibitor of ABA 8'-hydroxylase CYP707A with no growth-retardant effect2009
Author(s)
Y.Todoroki, K.Kobayashi, M.Shirakura, H.Aoyama, K.Takatori, H.Nimitkeatkai, M.Jin, S.Hiramatsu, K.Ueno, S.Kondo, M.Mizutani, N.Hirai
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Journal Title
Bioorganic & Medicinal Chemistry 17
Pages: 6620-6630
Peer Reviewed
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