2009 Fiscal Year Annual Research Report
CMV抵抗性遺伝子産物RCY1と宿主タンパク質からなる分子複合体の構造と機能解析
Project/Area Number |
19380026
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 英樹 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (20197164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 信幸 岩手大学, 農学部, 教授 (40191556)
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Keywords | ウイルス抵抗性 / キュウリモザイクウイルス / 病害抵抗性遺伝子 / NB-LRRタンパク質 |
Research Abstract |
キュウリモザイクウイルス黄斑系統[CMV(Y)]に対する抵抗性を制御している抵抗性遺伝子RCY1は,NB(Nucleotide binding)-LRR(Leucine-rich repeat)ドメインを有するタンパク質をコードしている.本年度の研究では,HAタグを付加したRCY1タンパク質(RCY1-HA)を発現する形質転換体Col::pRCY1-HAを用いて,抗HA抗体結合アガロースビーズによる免疫共沈実験から,RCY1-HAタンパク質と複合体を形成する宿主タンパク質の候補を同定することができた.しかし,同タンパク質をコードする遺伝子の単離および,同遺伝子破壊植物を用いたRCY1タンパク質の機能確認までには至らなかった.一方,EMS処理による変異体のスクリーニングから単離された遺伝子CRT1は,'GHKL'ATPaseチーフを有するATPaseをコードしており,CRT1タンパク質はRCY1タンパク質と直接結合することが明らかになった.さらに,CRT1タンパク質とRCY1-HAタンパク質を植物細胞で一過的に発現させる実験により,CRT1タンパク質はRCY1タンパク質の安定性の制御を介して,CMV(Y)抵抗性に寄与している可能性が考えられた.また,CRT1タンパク質は,他のNB-LRR型抵抗性タンパク質とも相互作用することから,病害抵抗性タンパク質の機能発現において基本的な役割を果たしているものと推察された.
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