2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物の病原体関連分子パターンの認識とGタンパク質による情報伝達の分子基盤
Project/Area Number |
19380028
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
川崎 努 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 准教授 (90283936)
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Keywords | PAMPs / 植物免疫 / Gタンパク質 / GEF |
Research Abstract |
植物は、それぞれの病原菌を構成する因子を、病原菌に特有な分子パターン(PAMPs)として認識し、迅速な抵抗性を誘導する。近年、PAMPsを認識する植物受容体が受容体型キナーゼ(RLK)をコードしていることが明らかになっている。一方で、低分子量Gタンパク質であるRac/Ropが、PAMPs誘導抵抗性において重要な役割を果たしていることが明らかになっており、本研究課題では、RLKの下流で機能しているRac/Rop活性化因子であるGDP-GTP交換因子(GEF)の解析を通じて、PAMPs信号伝達系を解明することを目指した。本年度は、細胞内におけるRLK、PRONE型GEF、Raclの相互作用について詳細な解析を行い、それらが細胞膜上で複合体を形成していることを示唆する結果が得られた。そのため、前年度までの解析結果と合わせて考察すると、RLKがPAMPsを認識したシグナルは、PRONE型GEF-Rac/Ropを介して伝達されていると考えられる。また、新規なGEFとして同定したDHドメインをもつ遺伝子について、シロイヌナズナT-DNA挿入変異体を単離し、PAMPs誘導抵抗性に関する実験を行った。その結果、T-DNA挿入変異体ではPAMPs抵抗性が顕著に抑制されており、DH型GEFもPAMPs誘導抵抗性に関与していることが明らかになった。このように、PAMPs誘導抵抗性において、Rac/Rop信号伝達系はPRONE型とDH型の両方のGEFによって制御されていると考えられる。
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Research Products
(16 results)