2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380044
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐伯 和利 Kyushu University, 生物環境調節センター, 准教授 (30284780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 信一郎 九州大学, 農学研究院, 准教授 (60108678)
境 雅夫 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (20225775)
國頭 恭 信州大学, 理学部, 准教授 (90304659)
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Keywords | DNA / 吸着 / 土壤粒子 / 黒ボク土 / 酸化物 / アロフェン |
Research Abstract |
土壌構成成分のDNA吸着への寄与を探ることを目的として、土壌有機物と酸化物鉱物に焦点を当て、土壌に過酸化水素水処理とシュウ酸処理を行い、これらの物質を減少させてDNA吸着量の変化を観察し、その寄与を考察した。用いた黒ボク土壌が、灰色低地土と赤黄色土に比べてDNAを多く吸着することが確認された。土壌から有機物を削減しても土壌へのDNA吸着量はほとんど変化しなかった。土壌有機物はDNA吸着に関与しないことが示唆された。有機物を滅少させた土壌をさらに酸性シュウ酸塩を用いて、土壌から鉄、アルミ酸化物やアロフェンなどを減少させた場合、DNA吸着量は本来の土壌の酸化物量に関係して、減少した。土壌構成成分の中でも、非晶質鉱物であるアロフェンや酸化物がDNA吸着へ影響があるようだ。よって、土壌中のこれらの酸化物がDNA吸着の主要な媒体の1つであることが示唆された。 さらに、個別の土壌構成成分へのDNA吸着を明らかにするために,有機物除去処理した黒ボク土壌粒子,アロフェン。ギブサイト,ゲータイト等の含成されたものと,市販されている腐植酸を精製したものに対するDNA吸着を調べた.黒ボク土の場合,未処理,過酸化水素処理,400℃加熱処理の順で有機物除去割合が増加した.比表面積は400℃加熱処理で一番小さくなるにもかかわらず,DNA吸着量は高かった.合成したアロフェンに対して,添加したDNA量の約8割が吸着した.使用したギブサイトとゲータイトによるDNA吸着量はアロフェンの場合より小さかった.腐植酸の場合は,添加したDNAのほぼ全量が液相より除去された.この除去を吸着の結果として仮定すると,その吸着量はアロフェンの場合よりも大きかった.
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Research Products
(3 results)