2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380045
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松岡 健 Kyushu University, 農学研究院, 教授 (40222294)
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Keywords | オートファジー / 植物 / 培養細胞 / 蛋白質 / ストレス / 分解 / 細胞・組織 / ゴルジ装置 |
Research Abstract |
以前に行った予備的な解析からオートファジーに関与する可能性が有ることを見出していたプロテインキナーゼの一種について、昨年度獲得した完全長cDNAの塩基配列をもとに、RNAi法により発境を低下させた形質転換体の作成を行った。その過程で、この抑制体の得られる頻度はコントロールに比べてかなり低く、発現抑制が細胞の増殖に悪影響を及ぼしている可能性を見出した。また、この蛋白質のN-末端側とC-末端側に対する特異抗体を用いて、昨年度に引き続き、糖飢餓に際してそのサイズに変化があるか検討した。その結果、この蛋白質は糖飢餓の際に発現量とサイズが共に変化し、その変化は糖飢餓にで最も顕著に認められるという結果を得た。 また、ゴルジ装置またはその後期の構造体を単量体RFPで蛍光標識した細胞について、細胞の増殖過程での蛍光の変化と、ショ糖等の栄養飢餓における分解を検討した。その結果、飢餓による分解を受ける膜タンパク質と受けない膜タンパク質が存在することを見出した。次いで、この分解へのオートファジー系の阻害剤とプロテアソーム系の阻害剤の影響を調べたところ、共に阻害を示すことを見出した。また、阻害剤存在下での標識タンパク質の局在の変化を蛍光ベースで検討したところ、オートリソソーム様構造体への局在は見出せなかった。これらのことから、栄養飢餓に応じたタンパク質の植物細胞での分解は、以前に知られる経路以外にも存在する可能性が示唆された。
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